
当時、HEMISPHERESを運営していた私は、10代の頃(1960年代前半)にスイス・ジュネーブで買った最初のSEBAGOのローファーを懐かしく思い出していた。
長い年月の中で、その靴の形は大きく変わってしまっていた。そして私の夢は、昔履いていたあのデザインを復活させることだった。
1980年代になり、「そろそろ本当に動かなければ」と思い、ビジネスパートナーにその話を持ちかけ、何度もしつこく説得した。
アメリカ出張の際、私たちは4人乗りの小型機に飛び乗り、メイン州のSEBAGOを訪ねた。
工場では社長が待っていた。
「そのモデルを復活させたいって? でもなぜ?
あれは全部、地下に箱詰めされているよ。
そのモデル用の木型もね。」
彼にはその価値が理解できなかった。だが、私たちは引き下がらなかった。そして最終的に彼は折れた。
「わかった。ただし1,500足作ることが条件だ。」
私たちはその条件を受け入れた。だが失敗もした。
バーガンディ、カーキ、ブラック、ネイビーの4色展開にしてしまったのだ。本当は2色くらいに絞るべきだった。
それでも最終的には売り切ることができた。
ジャック・シラクも一足買ってくれた。彼は以前アメリカで学んでおり(ハーバード・サマースクール)、1950年代のアメリカに郷愁を抱いていた。

4年後、彼はもう一足買いに戻ってきた。だが当然ながら、もう残っていなかった。
全部なくなっていた。
また一つ、美しいものが消えてしまった。
美しいものが消えていくのを見るのは、もう日常のことなんだ。
※ジャック・シラク 後のフランス大統領(1995年ー2007年)
これはあるフランスの雑誌でピエール自身が語っていた文章の抜粋です。
約40年の時を経て、ANATOMICAは再びこのSEBAGOを蘇らせます。
これはピエール・フルニエ自身の記憶であり、失われたアメリカへの憧れであり、
”消えてはいけない美しいもの”
への執念そのものです。


SEBAGO FOR ANATOMICA / CLASSIC DAN LOAFER
SIZE : 7 to 11H
WIDTH : D
COLOR : BLACK / BURGUNDY
PRICE : ¥58,000 +tax
5月22日-24日の3日間で開催する
のイベント初日にANATOMICA 札幌、京都、それぞれのオンラインショップにて発売します。
是非ご覧ください。
ANATOMICA 山内
