Shetland | ANATOMICA SAPPORO アナトミカ札幌

今年も、このセーターの季節がやってきました。

通称、2PLY REAL SHETLAND WOOL SWEATER。

一口にシェットランドセーターといっても、そのプライスや質は様々。

近年では、すこし荒めの英国羊毛を40％ほどミックスしたものが主体となっている事が多いのですが、ANATOMICAのシェットランドセーターは正真正銘、100%純粋なシェットランドウールが使われています。商品名に”REAL”=「本当の、真の」という単語が付いている所以がここにあります。

シェットランドシープは、スコットランドの北方に位置するシェトランド諸島に生息しています。英国羊毛は厳しい冬の寒さのある過酷な自然環境の中で育ち、その毛質は弾力性、耐久性があるのが特徴ですが、シェットランドウールは英国羊毛の中でも柔らかく光沢感があるのが特徴。また、羊の中でも体が小さく、産毛量が少ない貴重な原料として知られています。

シェットランドシープの羊毛は、英国内の品種の中では最も細く、特に首から肩にかけての部位は、メリノウール以上に繊細だと言われています。その為、100％のシェットランドウールとなると、機械での紡績では難しく、1960年代までに見られる伝統的な手横網機(ハンドフレーム)を使用した手法で1点1点丁寧に、時間をかけて編み立てられるのです。

Wilmaさん Ilaneさんという、ふたりの女性。

このお二人こそ、シェットランド島でも優秀なニットの編み手であり、ANATOMICAのシェットランドセーターの担い手であります。ひとつひとつ手作業にて作られていますので、大量生産は難しく、過去には実際にオーダーした数通りに入荷することが難しい年もありました。けれど、それだけの時間と手間をかけて作られたニットの雰囲気といったら、格別なのです。

パッと見ただけでは気づきにくい部分ではありますが、ハンドフレームの良さは着心地にも表れます。一般的なセーターはボディーとアームを一旦別々に作り、その後繋ぎ合わせていますが、こちらのハンドフレームは、繋ぎ合わせることはせずに編み目を変えながら、一連の流れで袖を作っていきます。繫ぎ目の無いシームレスの仕様は、着心地も格段に良く、ストレスの無いセーターに仕上がります。