ここ数年ANATOMICAの定番としてリリースされている”WAKOUWA”(ワクワ)のスニーカー。
今日から3回に渡り、このWAKOUWAはなぜ生まれたのか?どんな所に拘りが詰まっているのか?という部分にフォーカスを当ててご紹介したいと思いますので、興味のある方はお付き合い頂けると嬉しいです。
事のはじまりは2007年春、ANTOMICA TOKYO代表の寺本氏とANATOMICA PARIS 代表であるピエール氏が日本製のジーンズを完成させ、次なる目論みを考えていた時の事である。
寺本氏がピエール氏に「あなたの敬愛するスニーカーは?」と、問いかけたところ、『SPERRY TOP-SIDER』(スペリー・トップサイダー)との答え。
ピエール氏は70年代に現在のセレクトショップの基盤を作ったと言われるショップ “GLOVE” でこの『SPERRY TOP-SIDER』を販売していたと言う。
写真中央 : 当時のSPERRY TOP-SIDER
当時の『SPERRY TOP-SIDER』は、全米で販売され色々な人種に向け幅の広い物から狭い物まで様々なウィズを作り展開していたからどんな人でも快適な履き心地だったよ、これがピエール氏が敬愛する理由の1つである。
その他、当時を知る方が言うには、昔のトップサイダーは大きく内側にカーブをした形状で、”バナナデッキ” や ”そら豆デッキ”と呼ばれていたらしく、今思えばその形状はALDENのモディファイドラストと同様、オーソペディックシューズ特有のアウトカーブ、ストレートインサイドの木型だったと言えるのです。
寺本氏は予想通りの返答と同時に自身の膨大なアーカイブの中に、珍しいデッキスニーカーがあった事を思い出し、それを探し当てた。
そこに存在していたのは、1944年に先程の『SPERRY TOP-SIDER』がUS NAVYに支給したミリタリー仕様のデッキスニーカーだったのである。
それこそがまさにこのプロジェクトの終着地点であり、長い奮闘記になる1足だったと寺本氏は語ります。
写真 : 1944年 US NAVYに向けて支給された『SPERRY TOP-SIDER』製のオリジナルとそのコントラクト。
そして、この『SPERRY TOP-SIDER』と言えば、SAFTY-SOLE PATENTED=濡れた甲板の上でも滑らないようにソールに切り込みを入れた世界で最初のスニーカーとしても有名。
このソールの裏話には、スペリーさんが飼っていた犬が濡れた甲板の上でも平然と歩いているのを目にし、犬の足の裏からヒントを得たと言う話があるのをご存知でしょうか。
そのスペリーさんの犬とピエール氏が幼い頃から探し求め、遂には自身で商標登録まで取得してしまったスイスの木製玩具メーカー”WAKOUWA”(ワクワ)の犬を、頭の中で融合させてしまったという素敵なストーリーから誕生した物だったのです。
写真 : WAKOUWAのヒールパッチ
その証にWAKOUWAのヒールには、デッキスニーカーに乗り悠々と航海する玩具の犬が描かれており、その姿は海を渡り世界中の人たちにこの”WAKOUWA”の履き心地を体現してもらいたいという願いが込められているように感じます。
→【 History Of WAKOUWA vol.2 】はこちら
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