こんにちは、ANATOMICA札幌店の船橋です。
札幌の秋が深まり、朝晩の冷え込みが感じられる10月。
この季節に、ぜひ手に取っていただきたいのが”BEACH CLOTH JACKET”と”BEACH CLOTH VEST”です。
歴史あるビーチクロス生地の温もりと、細部までこだわったクラフツマンシップが魅力のこれらのアイテム。以前にもご紹介はしておりますが、改めて生地の特徴、歴史的背景をご紹介します。ANATOMICAのものづくりへの情熱を感じながら、ぜひ最後までお読みください。
ビーチクロス(Beach Cloth)の起源は、1900年代初頭のアメリカ、マサチューセッツ州に遡ります。当時、厳しい冬の寒さに耐えるため、ハンターや野外労働者が愛用したのがこの生地です。
特に、1920年代にBROWN’S BEACH社が開発したビーチクロスは、ワークウェアの定番として広く普及しました。この生地は、現代の保温素材がなかった時代に、労働者の体を寒さから守る実用的な素材として重宝されました。
ヴィンテージ市場では、その独特な「ゴマシオ」と呼ばれる凹凸のある表情が愛され、コレクターアイテムとしても知られています。
ANATOMICAでは、ピエール氏と寺本欣児氏が、この歴史的生地を忠実に再現しつつ、現代の技術で改良。札幌店でご覧いただけるジャケットとベストは、過去と現在をつなぐ特別な一着です。
当時のカタログの一部
ビーチクロスの最大の特徴は、ウール65%・コットン35%の混紡生地を、ラッセル編みという特殊な技法で織り上げたダブルフェイス構造にあります。
カタログにも説明があるのですが、
「このジャケットを発明した人は寒い日や雨の日の仕事がどれだけ不快かを知っている。何千人もの男性がこの驚くべき暖かさ、丈夫な着心地を高く評価している」
と簡単な翻訳ですが、近いニュアンスの内容が明記されています。当時のリアルワーカー達にとって革命的なプロダクトだったことは明確です。
表面は滑らかでニットのような質感、裏面は起毛加工によるフリースのような柔らかさ。この構造により、風を効果的に防ぎながら、優れた保温性を実現しています。中綿を用いずとも高い暖かさを保てるのは、昔の職人技の賜物です。
表面に現れる「ゴマシオ」と呼ばれる凹凸は、ウールの自然な縮れとコットンの安定感が織りなす独特の風合い。この凹凸が空気を閉じ込め、保温性をさらに高めます。
ANATOMICAのビーチクロスは、ヴィンテージの雰囲気を再現しつつ、耐久性と快適さを向上。洗濯を重ねるごとに生地が柔らかくなり、経年変化で独特の味わいが生まれます。札幌の秋冬にも適した、頼れる素材です。
ANATOMICAのビーチクロスジャケットとベストは、オリジナルデザインを尊重しつつ、細部に現代的なアレンジを加えています。
どちらのアイテムも、ANATOMICAの「着るほどに愛着が深まる」という哲学を体現。細部まで丁寧に作り込まれたディテールは、歴史への敬意と現代のニーズが融合した証です。
STYLING : 岡田
JACKET : BB JACKET
VEST : BB VEST
PANTS : 618ORIGINAL
SHOES : USN SERVICE SHOES
STYLING : 船橋
JACKET : BB JACKET
KNIT : JOHN SMEDLEY RICHARD
PANTS : TENNIS MOLESKIN
SHOES : R.M WILLIAMS
SCARF : VICNANDINA
ITEM : BB VEST
FABRIC : WOOL / COTTON
COLOR : SALT&PEPPER / NAVY
SIZE : 36 / 38 / 40 / 42 / 44 / 46 / 48
PRICE : ¥44,000 (¥40,000+tax)
ビーチクロスジャケットとベストは、単なる防寒着ではなく、着る人のライフスタイルに寄り添う存在です。札幌の秋の風景に溶け込みながら、歴史のストーリーを感じられる一着。
ぜひANATOMICA札幌店で、実際に生地の質感やフィット感をお試しください。
ANATOMICA札幌 船橋