ANATOMICA PARIS のWEBページをご覧になった事はありますでしょうか?
その中の1ページにANATOMICAが定番として掲げるアイテムが掲載されています。
残念ながら廃盤となってしまった希少なモデルもあるのですが…
本日はその中から、上段左から2番目に掲載されている”SAVOYARDE”をご紹介いたします。
MODEL : SAVOYARDE
FABRIC : FOX BROTHERS HEAVY COTTON TWILL
COLOR : KHAKI
SIZE : S / M / L
PRICE : ¥94,000-+tax
Made in France
ANATOMICAのアイテムは、ほとんどが旧き時代に実在したアイテムからインスパイアされています。SAVOYARDEはフランスの「サヴォア地方」のワークウェアであり、その地方のオークション会場の競売人たちが着用していたものだそうです。
同地方出身のピエールにとっては特別な思い入れがあるジャケットだそうで、色違いを含め、実際に着ている姿をよく見ます。こちらのジャケットのヴィンテージは大変希少なアイテムで、ピエール自身も実物を目の当たりにしたのは過去に2回ほどしか無いのだとか…
ワークウェアとしては珍しいノーカラーのネックはタートルネックのインナーやストールとの相性がよく、組み合わせ次第で様々な雰囲気を醸し出す、独特のデザイン。
身体に沿うように裁断されたパーツと、立体的なパターン。後ろから見たときにキュッと持ち上がるような裾のラインも素敵です。
オークション商人が着ていたというだけあり、実用的な大きめのポケットが施されています。さらに、この配置にも注目。荷物を運ぶときにポケットが邪魔にならないよう、フロントではなく、真横にくるように配置されています。
最も特筆すべきは、この生地感。これまでのMOLESKINとはひと味違う”HEAVY COTTON TWILL”が使用されています。実はこれ、英国FOX BROTHERS & Co.にANATOMICAが別注したスペシャルファブリック。
フォックスブラザーズ社といえばフランネルが有名ですが、実は第一次大戦時の頃は英国軍に生地を配給していた背景があります。そして、今回使用したのは第二次世界大戦当時の生地を目指してANATOMICAがオーダーした特別な生地なのです。
今でこそ広く認識されている「カーキ色」ですが、これもまたフォックスブラザーズ社が考案したカラー。1900年代初頭、伝統的な赤や明るい色は、いざ敵と対峙した際には危険に晒されることがあることから、新色のカーキにとって代わりました。カーキとはインド語の埃に由来しているのだそうです。これもまた面白い逸話ですね。
ガシッとした固い生地で、見るからにヘヴィーな質感。針を通すのも大変だろうとイメージしてしまうほど、とても迫力のある生地。
私自身、はじめて入荷した際に生地に一目惚れし、購入しましたが…正直なところ…最初は袖を通すのも大変なほど、とにかく固い生地でした。思うように腕を曲げられないほどです。笑 1年ほどヘビロテで愛用し、だんだんと着やすくなり、今では何ら違和感なく着ることができますし、生地の雰囲気も抜群です。着心地という点においては、最初は不安を感じることもあるかと思いますが、着込めば着込むほど出てくる独特な風合いに、他のお洋服では感じられない魅力や愛着を感じられるのではないでしょうか?
CAP : STUDIO DONEGAL NEWS BOY CAP / BLACK×BROWN
JACKET : ANATOMICA SAVOYARDE / HEAVY COTTON TWILL KHAKI
SWEATER : ANATOMICA 1PLY SHETLAND SWEATER / BLACK
PANTS : ANATOMICA CALIFORNIAN / STONE
SHOES : ANATOMICA ALHAMBRA / SUEDE BROWN
サヴォア地方にルーツを持つピエール、FOX BROTHERSならではの背景を持つ生地やカラー。
理にかなったお洋服のディテール。どれをとっても納得のいく要素が詰まっているジャケットです。ご来店された際に、ついつい見逃しがちだった方も、次回はどうぞじっくりご覧くださいませ。
ANATOMICA SAPPORO 伏見