昨日に引き続きTrippenのご紹介です。
中)Trippen デザイナー ミヒャエル氏 右)ANATOMICA PARIS デザイナー ピエールフルニエ
先日ご紹介したように、ANATOMICAとTrippenは切っても切れない繋がりがあるのですが、特にANATOMICAのデザイナー、ピエールフルニエがお気に入りの1足がこちらのSCOTCHです。
MODEL : SCOTCH
COLOR : BLACK CALF
SIZE : 40 / 41 / 42 / 43
PRICE : ¥44,000-
Made in Germany
本日ご紹介するモデル”SCOTCH”(スコッチ)は、新鮮なデザインに感じる方も多いかも知れませんが、実の所とてもクラシックでありルーツのある1足です。
モデル名の、SCOTCH = ”スコットランドの”とういう部分にその全てがあるのです。
この手のシューズをギリーシューズと呼ぶのですが、その歴史は古く古代ローマ時代のスコットランドやアイルランド、すなわちゲール・ケルト文化にまで遡ります。
舌革をあえて取り付けないのは、湿地帯の多い地域で濡れてもすぐに乾かせるため。鳩目の形状も、フィッティングをより容易にするため。
もっともクラシックな物は、紐を長くし脛あたりで巻きつけ、「ぬかるみ」に靴だけはまってしまうのを防ぐためとも言われております。
のちに舞踏用の靴として進化を遂げたギリーシューズ。
今日でも特に黒のギリーは、スコットランドのカントリーダンスでは絶対欠かすことのできない衣装の一つです。
ウィンザー公と昭和天皇
このスタイルが紳士靴の1デザインとして注目され始めたのは1880年代のこと、写真を見てピンときた方もいらっしゃるかと思いますが、ウィンザー公(エドワード8世)も、特に皇太子時代にこの靴を履きゴルフをするなどカントリーサイドで好んで履いていました。
欧米で1920年代に大きなブームを起こすきっかけとなり、洒落者で名を馳せたイギリスの皇太子が愛用した靴であるため、このスタイルを彼らの俗称にちなみ「プリンス・オブ・ウェールズ」と呼ぶ事もあるそうです。
そんなルーツを持った靴だからこそ、ANATOMICAのピエールフルニエの審美眼によりセレクトされているという訳です。
HAT : JAMES LOCK
JACKET : ANATOMICA BOURGERON / RASTIC NATURAL LINEN
VEST : ANATOMICA SAGAN / RYE COTTON TAN
PANTS : ANATOMICA TANGO PANTS / RYE COTTON TAN
この靴が持つルーツを現代のスタイルとして表現するのであればこんなスタイルだと思います。
イギリスにルーツを持つ生地や、カントリーサイドで使用されそうなサガンベスト。
粋なスタイルだと思います。
CAP : ANATOMICA × JONATHAN RICHARD / GRAY CHAMBREY
SHIRTS : ANATOMICA Y.P.O.W / TATTERSAL
JACKET : ANATOMICA CAVARIER / PRINCE OF WALES BROWN LINEN
PANTS : ANATOMICA BOULEVARDIER / PRINCE OF WALES BROWN LINEN
その名もPRINCE OF WALESと名付けられたファブリックで作られるブリテッシュスポーツスタイルのスーツにギリーシューズ。
決っしてサンダルでは無い、列記としたルーツのある靴だからこそこんなトラッドな合わせにもしっくりくるのだと思います。
カジュアルな装いにも好相性な1足ですが、どうせ履くなら夏の紳士なスタイルに粋な外しとしていかがでしょうか?
是非、店頭でご覧くださいませ。
ANATOMICA SAPPORO 岩谷